第1章 出会い
夏油side
以前助けた風海とは、未だにやり取りをしていて高専に来ることは出来なかったが、新しい環境で楽しんでいるようだった。
今日は休みで悟と硝子で出かけていたら、ちょうど風海のバイト先の近くに来たので寄ってみることにした。
私を見つけるなり、嬉しそうに笑って近づいてくる様子に自然と笑顔になる。
が、目線が私の後ろに移ると、美しい瞳を見開き動きを止めた。
『…すごく綺麗…』
そう呟いた風海の声で我に返り、悟を紹介する。
傑「…風海、同じクラスの悟だ。前に話したことがあったよね?」
『初めまして!武神 風海です。傑さんには助けていただいてから、色んなこと相談させてもらってました。』
珍しく悟も大人しい。
君らしくないじゃないか、ずっと黙っちゃって。
そんなに風海のことが気になるかい?
だから会わせたくなかったんだ。
色白で色素の薄い髪の色。
まだ少し幼い顔立ちだけど、絶対美しくなると確信できる。
悟「あぁ…よろしく。
ところで…傑さん⁇…ブハッ何その呼び方!」
思った通りの自己紹介と呼び方についての冷やかし。
予想通りすぎてつまらないよ、悟。
傑「揶揄うのも大概にしろよ。悟と愛雪は初対面だろ?」