第1章 出会い
それからは毎日のように傑さんと連絡を取った。
忙しいと言いながら、マメに返信をくれる優しい傑さん。
大人っぽく見えたが1つしか違わなかった。
呪術高専のことを聞いて調べていたら、両親が猛反対した。
理由は“普通に育って欲しい、ちゃんと大学を出て欲しい”そうだ。正直そんなの理由じゃないと思う。
寮に入るのも心配だと言う。さすがに高校で家を出るとは思っていなかったから、私も心配だった。
結局、呪術高専の近くの普通高校に進学することになった。
その代わり、その先の進路は自分で決めさせて欲しいと念押しして。
卒業式の日を迎えた。
なんだか門が騒がしい。
「風海!」
と呼び止められ、よく見ると傑さんがいる!
『えっ!?なんで!?』
思わず声を張り上げてしまう。
傑「卒業だからお祝いしようかと思って待っていたんだよ。卒業おめでとう」
と言いながら花束を渡される。
ギャラリーからは「きゃー」だったり「なんでアイツが?」という声が聞こえてくる。
こんなかっこいいことをサラッとできてしまう傑さん、
さすがです。
キュンとしない女の子はいないだろうな。
そしてすごくモテるんだろうな。
『ありがとう、傑さん。すごく嬉しい!』
傑「どういたしまして。それじゃ、私は行くよ。また連絡する。」
すぐに行ってしまったけど、
多忙な傑さんがわざわざ会いに来てくれたのが嬉しかった。
それもあんな大勢の前で恥ずかしいけど、
他の誰からもらう花束よりも嬉しかった。