第1章 出会い
状況が掴めずとりあえず頷いたものの、
腰が抜けて動けない。
「…君も呪霊が見えるのかい?」
見かけによらずきちんと話す人だなっていうのが第一印象だった。
街灯が逆光になって顔はよく見えない。
『あの、助けていただいてありがとうございます。あなたも呪霊が見えるんですか?…怖くないんですか?』
「…やっぱり見えているんだね。君は中3?アレらが少しだけ怖く無くなる方法がある。興味があったら呪術高専においで。」
『…!あのっ!連絡先教えてもらえませんか?!』
家族以外で、初めて呪霊の見える人に会った!思わず連絡先を聞いてしまった。はしたないだろうか。
腰抜けたままの私の前にしゃがみ込んで、ようやくその人の顔が見えた。
街灯の光が斜めにあたってすごく妖艶で見惚れてしまった。
傑「随分と積極的だね。私の方から聞きたかったくらいだ。」
それが私と傑さんとの出会い。