第1章 出会い
夏油side
ある日助けた女の子に懐かれてしまった。
祖父の死をきっかけに呪霊が見えるようになったと言っていた。
とても美しい眼をしていた。
身近に青い眼の友だちがいるからか、興味が湧いた。
マメな性格と慕ってくれているのが伝わり、可愛いなと思うようになった。
話の流れから卒業式の日を聞き、ほんの気まぐれで行ってみることにした。
あえて目立つ校門前で待つ。
悟や硝子には
「げぇ〜中坊の卒業式なんて行ってどーすんだよ」
「随分と執着してんだな」
と言われたが、別にそーゆーんじゃない。
結局悟も行きたいとゴネていたが、会わせたくなくて断った。
そもそも行ってどうすんだと言ってる割に行きたいとはどういう感情なのか。
いつものように周りが騒がしいが、風海を見失わないように目を見張っていると、風海が出てきた。
花束を渡すと目を見開いてから、満面の笑みでお礼を述べた。
キレイに笑う子だな、
こんな風にお礼を言われたら、また何かしてあげたいと思ってしまう。すぐに帰ることにしたのは、
自分の気持ちが変だと思ったから。
これ以上何か思う前に帰ろうと思った。