第14章 長期任務
後ろ姿が見えてきた。
でも、あれ?
もしかして
『陸くん?!陸くんでしょ?!』
ゆっくりと立ち止まり振り返った人物を確認すると
『やっぱり陸くんだったぁ!』
そのまま七海くんの横を通り過ぎ、思わず抱きついた。
陸「バレないようにしたかったんだけど…」
困ったように笑いながら、抱き止めてくれた。
こんなところで会えたのはなんで?
もしかして頼まれた?
七「初めまして。七海です。風海から話は聞いています。
今日ここで呪いを祓っていたのは、依頼があってのことですか?」
七海くん、スマートだな…
歌姫さんはまだ状況が掴めてないみたい。
陸「あぁ〜…依頼というか…頼まれたというにはそうなんですが…」
つまり公式な依頼ではないと。
『傑さんと悟さんに頼まれたの?』
ここでも困ったような笑顔を浮かべて
陸「…内緒にしてって言われてるんだ。」
状況はわかった。
やっぱり私のために誰かが守りに来るんだな…申し訳ない気持ちでいっぱいになった。なるべく普通通りに過ごせるように、知らないところで動いてくれる人がいる。ありがたいよりも申し訳ない気持ちの方が強い。
『…ありがとうね。私のために…』
陸「何言ってるんだよ。当たり前だろ?
…でも今、すげー申し訳ないと思ってるだろ?俺たちがしたいと思ってしてるんだから、風海がそう思うことないからね?」
いつものように頭を撫でられる。
陸「先ほど、呪詛師らしき人物を返り討ちにしたんだけど…また来るかもしれないから用心しておいてほしい。とにかく、風海がここに来ていることがバレているということは、やはり高専関係者が関わっている可能性が高いね。
俺もこっそり泊まるはずで部屋を取ってるんだ。バレたからには協力しよう」
ということになり、陸くんもチームに加わった。
呪詛師はともかく、できるだけ呪霊は自分たちで祓いたいと伝えて、レベルアップできるようにする。
すると思ってた以上にたくさんの呪霊が出てくる出てくる…
傑さんも陸くんもどんだけ祓っていたんだろう。
陸くんは明後日の朝帰るとのことなので、それまでは頑張ってもらおう!すごく頼りになる!
午後も無事終了し、旅館に戻る。
陸くんは呪詛師のことが気になるから夜中起きていると言い張るので、別室で仮眠を取ることにした。