第14章 長期任務
いつのまにか熟睡していたようで、優しく揺すられて起される。
『んん〜おはよ…傑さっ…あっ!!』
間違えた!今私、傑さんって言ったよね?
いつも起こしてくれる傑さんじゃない。
急に目が覚めた。慌てて起こしてくれた人を見る。
歌姫さんだった。…よかった。
歌「…アイツと間違われたのは癪だけど、可愛いから許す!
いつも起こしてもらってるの?」
『ごめんなさい…傑さん、起きるの早いんですよ。だから…』
歌「まぁいいわ。早く支度しちゃいな?これから朝ごはんよ。
七海と灰原は先にご飯行ったから、ここで着替えていいわよ。」
恥ずかしい姿見られちゃったなぁ…
身支度をして朝食会場に向かう。
灰原くんの山盛りごはんに驚きながら、隣に座った。
『おはよ!朝からすごい食欲だね?』
灰「食べないとパワー出ないからね!風海はもっと食べた方がいいよ!細すぎ!」
そんなことないのに…
しっかりと挨拶をして食べ始める。
ここの旅館、食事も美味しいしお風呂も最高なのに、なんでこんなに空いてるんだろ?
『ん!美味しい〜♡普段の朝食はパン派だけど、こーゆーとこ来たら、和食がいいよね♡』
灰「風海は、いつも美味しそうにごはん食べるよね!楽しそうっていうか…たくさん食べさせたくなる!」
『えぇ〜?そうかな?でもあんまり食べさせないで!太っちゃうのは嫌だから…』
わいわいと賑やかに朝食を済ませて、歌姫さん、七海くん、と共に任務へと向かう。灰原くんは13時まで仮眠を取ることになってる。
任務へ向かい、まずは歌って弱いものを祓っていく。
時々襲ってくる呪霊がいるけど、七海くんが祓ってくれるし、そこまで強いものではない。この程度なら私でも対応できそう。
声を響かせて呪霊のいる場所を特定していく。
誰か別の人の気配がする。
『待って七海くん!誰かいる!』
七「五条さんか夏油さんですか?」
『違うの。だけど強いし、私が知ってる気配…』
誰だろう?でもこちらに向かってくる気配はない。
なんだかわからないものが1番怖い。
もしかして、何かの術式にハマった?
七「わからないなら、こちらから行きましょう!!」
えぇ?!すごい思い切りのいい作戦だね?!
七海くんの後ろについて走っていく。
相手は逃げている気がするんだけど…
『七海くん!相手、逃げてる!』