第14章 長期任務
結局私たちは特に強い呪霊には当たらず、昼に戻ってきた。
反対方向から戻ってきた灰原くんと歌姫さんは、なんだかげっそりしている。やっぱそっち方面にたくさん強い呪霊が集まっていたのだろうか。
『やっぱりあっちに集中してたのかな?』
七「そのようですね。というよりも風海の呪力にあてられて逃げた可能性も0じゃない。」
七海くんも同じ考えのようだ。
灰「そっちはどうだった?」
七「3級の群れがいたくらいで、風海に歌って祓ってもらいました。ほとんどいません。」
歌「本当に?!こっちはもううじゃうじゃいて…午後は交代ね!」
午後は大変になりそう…
一度旅館に戻って昼食を摂る。
毎年ここに泊まりにきて周りの呪霊を祓っているから、旅館の営業も回るらしく、手厚くサポートしてくれている。
昨日のうちに旅館にいた呪霊は祓ったから、安心して過ごせている。
少し休憩して午後からの任務に向かう。
やっぱり3級の群れしかいない。強いのは引き寄せられるように灰原&歌姫チームの方へ行っているようだった。
『七海くん、もしかしたら違うかもしれないんだけど…』
七「いえ、私もたぶんあなたと同じことを思っています。現実的ではないですが、やりかねない。でも気配が…」
『そう!ないよね?うまく隠してるのか…バレないと思ってるのかな?』
傑さんか悟さんがこっそり祓いにきているんじゃないかってこと。強い呪霊が引き寄せられる前に弱いものが引き寄せられるはずなのに、弱い呪霊だけが残るのは考えにくいから。
ん〜…心配してくれるのはありがたいけど、これじゃ訓練にならないんだけど…
『夜、電話してみるね?たぶん否定されるんだろうけど』
大きなため息が聞こえた。
七海くんにも苦労かけます。申し訳ない。
任務を終えて、ボロボロの歌姫さんとお風呂へ向かう。
歌「もう!明日は風海と組むから!」
『そしたら2人とも遠距離攻撃のチームになっちゃいますよ〜』
まだ予測の段階だったので歌姫さんには話していない。明日は灰原くんと組むことになるのかな?
じゃないと灰原くんと歌姫さんだけがボロボロになっちゃうな…