第14章 長期任務
明日から任務という名の特訓?があるからしっかり寝ておかないと。というか今気がついたけど、こーゆー時に引率の先生っていなくていいの?
移動で疲れたからか、すぐに眠気がやってきた。
寝る前に傑さんと悟さんにメールをして眠りについた。
次の日、みんなで朝食を摂って移動する。
割といい緊張感かもしれない。
早く強くなりたかった。
守られるだけじゃなく、守れるようになりたい。
ここは自殺の名所だと言われているだけあって呪いがうじゃうじゃいた。実際に自殺が多いかといえばそうでもないみたいだけど、負のイメージで溜まりやすいんだそう。だから1年生が毎年ここに派遣されて合宿しながら祓うことになっている。昨年の1年生が早い段階から個人で任務を請け負っていたこともあり、2年ぶりの合宿で溜まった呪霊を捌き切れるか分からないから、歌姫さんも一緒に派遣された。
もし傑さんと悟さんがいたら、どっちがたくさん祓えるか競争するんだろうな〜。そう思うと自然と口角が上がった。
移動に2日かかるから、5日間しっかりと祓いまくろう。きっと疲労が溜まってくるから、今日頑張ってしまいたい。4人で役割分担しながらやっていこう。
『みんなで協力した方がいいと思うんだけど、どうかな?個人でするよりも危険が少ない気がするの。』
灰「個人の方が速そうじゃない?」
七「いや。2チームに別れましょう。術式を考慮して、庵先輩と灰原、風海と私で。」
確かに。
よし、頑張ろう!
二手に分かれて任務にあたる。
七「風海、お願いします。」
大きく頷いて、私が歌って弱い呪霊を一掃する。
索敵しながら七海くんと並んで歩く。
少し歩くと、また3級の群れが増えてきたので歌う。
さっきからその繰り返し。
『強い呪霊はあまりいないのかな?』
七「油断は禁物。でも風海のエコーでも強い呪霊の気配がないのは…灰原たちの方に偏っているのかもしれない。」
最近、2人の時は七海くんが距離の感じない話し方をしてくれている。今までずっと敬語だったから、心を開いてくれたようで嬉しい。
『私の歌って、スピーカー使ったらもっと遠くまで祓えるのかな?』
七「今度試したいところですが、持ち歩くのは得策じゃない。」
どこかに溜まりやすいところがあるんだろうか。
今出来ることをしながら前に進む。