第14章 長期任務
『傑さん!電話ありがとうございます♡』
傑「無事に着いたようでよかった。そっちはどんな感じ?」
『自殺の名所というだけあって、いろんな気配がします。お宿は温泉があるので、今から歌姫さんと入りに行こうと思っていたとこなんです!』
傑「まさか混浴ではないよね?」
『まさかぁ!混浴だったら入らないので安心してください♪』
傑「任務ではもちろん、他の客がいるなら気をつけるんだよ?」
『傑さんは心配性ですね〜私だってしっかりしてるので大丈夫ですよ!お風呂出たらまた連絡しますね♡』
傑「あぁ、またメールするね。愛してるよ風海♡」
『…!!あっ…わっ私も!あいしてます…♡』
電話を切って幸せを噛み締めていると、すっごい嫌そうな顔で歌姫さんが見ていた。
歌「アンタたち、いつもそんな感じなわけ?それにあんな奴らのどこがいいのかぜんっぜんわかんないんだけど…」
あんなにかっこいいのに!?
『えっ!?すっごく優しいんですよ?2人とも。傑さんはちゃんと言葉で表現してくれるので恥ずかしいですが…悟さんも大事に思ってくれてるの伝わるし…』
歌「えぇ…?クズには変わらないでしょ?特に五条!デリカシーないし。でもまぁ、風海が入学してからのアイツらはマシになった方だよ…もっと酷かったんだから!」
お話しながら温泉に向かう。
温泉はもちろん男女別で傑さんが心配するようなことはなく、とってもいいお湯だった。ただ恥ずかしいのは、全身キスマークだらけのこの身体…しばらく会えないからって2人がたくさんつけたの。服を脱ぐまで忘れていて、歌姫さんの驚いた声で気がついた。
歌「独占欲が強すぎんだよ、アイツらは…よく2人を相手にできるな」
『あはは…すぐやきもち嫉くので難しい時もあります』
お風呂でもたくさんお話をした。歌姫さんは2人から揶揄われることが多くて本当に嫌がってるのに絡んでくる彼らが鬱陶しかったらしく、私がきてから少し減ったと感謝された。
それって歌姫さんのことが好きだったんじゃないのかな?
ちょっと妬けちゃうな…
髪を乾かして、浴衣を着る。
暦の上では春だけど、まだ寒い日も多い。この辺は標高が高いのか、ずっとひんやりしている。羽織を肩にかけて、お風呂に入った温かい身体が冷めないように両手でぎゅっと押さえた。