第13章 春
昼間にたくさん寝たから、あまり眠くない。
起き上がっていると傑さんに怒られそうだから、ベッドに横になりながらケータイを見ていた。
すると鍵を開ける音が聞こえて、上半身だけ起き上がると傑さんと目があった。
傑「ただいま風海♡」
…かっこいい♡
お外、寒かったのかな?
ほっぺが赤くて、少し気だるげで色気が…
あれ?待って?
『おかえりなさい。傑さん、体調悪いですか?』
傑「…あぁ…君には隠し事できないな笑 少し体が熱くてね。体温計、貸してくれるかな?」
やっぱり…私がうつしちゃったんだ…
後から帰ってきた悟さんも同じだった。
次の日、私は授業に出れたけど、2人は揃ってお休み。昼休みにお粥を作ってそれぞれに食べさせたり、お薬をもらいに行ったりした。
普段から元気いっぱいな2人が弱っていると、本当に心配になる。
放課後にお部屋に戻ると、2人でゲームをして盛り上がっていた。
『元気になったみたいでよかった!』
傑「風海がお粥を食べさせてくれたおかげだね。ありがとう」
悟「久しぶりに堂々とサボったな笑」
傑「サボりではないだろ?熱があったんだから」
そんな会話をしながら、いつもの日常に戻ることができた。
大好きな2人が元気になってよかった。
そして明日はホワイトデー。一緒に過ごせるかな?
今日お休みしちゃったから、特級案件はストップしているはず。明日はきっと忙しくなるんだろうな。
イベントの日に一緒にいられなくても、2人が元気ならそれでいい。そう実感した一日だった。
案の定、2人は任務に駆け回っていて、帰ってきたのは明け方だったようだ。まだ学生の2人にここまでさせて、万年人手不足とはいえ酷すぎると思う。
1人で眠るには広すぎるベッドに縮こまって寝て、朝には2人に抱きしめられている。最近は傑さんの寝顔を見れることも増えた。それだけ遅くまで駆け回っているということ。
ちゃんと私が帰ってくる場所を作っておかないと。2人の心を癒せる海のように。