第13章 春
傑さんのお部屋のドアを開け、中に入ると靴も脱がないまますぐにキスされた。
でも私も期待していたし、さっきまでのとろけそうなキスじゃなくて激しく求め合うキスをして昂っていく。
ちゅっ…ぢゅる…
音を立てようと思って立てているわけじゃないのに、その音にすら興奮してしまう。
もっと…
もっと愛してると伝えたい。
コートを脱がされ、背中のファスナーを下されてワンピースが足元に落ちる。傑さんの唇が首に降りてきて、強く吸われる。
…あ…見えるとこに跡つけられてる…
そのまま下へ降りていき、鎖骨や胸にも跡を残していく傑さん。
『傑さん、ここ玄関…』
傑「すまない…待ちきれなくて。ベッドへ行こうか」
靴を脱がせてもらうと、そのままお姫様抱っこでベッドまで移動した。いつも思うけど、傑さんも悟さんも軽々と持ち上げてくれる。本当に力持ちだな。
優しくベッドに降ろされると、コートやスーツを脱いでいく。その姿をぼーっと眺めていたけど、あまりにも素敵で…
伏し目がちで
引き締まった身体
掻き上げる髪
安心する香り
あの日出会わなければ、こんな風になってなかった。
私らしくなく、連絡先を聞いてよかった。
傑さん、大好きです♡
ふと陸くんの言葉が蘇ってくる。
“風海の本命は夏油術師”
そうかもしれない。
もちろん悟さんも大切だし大好きだけど…
好きって言われたことがないから錯覚しているだけ?
お父さんも私たちの隙間に入るのかって言ってた。
でも今は…
傑さんを感じたい。
上半身の服を脱ぎ、覆い被さってくる。
頭を撫でられながらキスして、胸を優しく刺激する。
先端を摘まれると身体がぴくんと跳ねた。
『んっ♡』
傑「可愛い♡もっと声聞きたい」
片手は繋いだまま、傑さんのキスがどんどん下へ降りてくる。
首、鎖骨、脇、胸…
舌が這って、少しくすぐったい。
きもちよくなりたいのに、なかなか触ってくれないことにもどかしさを感じる。痺れを切らして
『傑さん…ここ、舐めて?』
はしたないと思うだろうか。
胸の先端をちょんと触ってお願いをした。