第13章 春
そんなの、決まってるじゃない。
『もちろんです。今までもそうでした。私は弱いので守られてばかりですが、強くなっていつか2人の背中を守れるくらい強くなります。そして2人を愛し続けます。』
言い切ってからものすごく恥ずかしいことを言ったのではないかと、真っ赤になりながら傑さんをチラリと見た。するとすごーく嬉しそうに微笑んでいる傑さん。周りに花が咲いてるみたい。
傑「愛し続けてくれるんだ?♡」
『…今はやめてください///』
急にデレデレしだした傑さんを横目に、お父様を見ると、こちらもホワホワしていた。なんで?
傑父「…すまないね。試すような言い方をして。真剣に愛してくれているのが伝わって嬉しくなってしまった。風海さん、これからも傑を頼みます。」
そう言ってご両親揃って頭を下げてくれた。
『顔を上げてください!私もまだまだ未熟なので、ご指導お願い致します。』
私も頭を下げた。
…そしてあげるタイミングがわからなくなった。
しばらくそのままでいると、傑さんに笑いながら頭を撫でられ顔を上げた。
傑父「傑は頑固だろう?曲がったことが嫌いだし、長いものに巻かれるのは苦手だ。何かと苦労すると思うが、風海さんが一緒なら大丈夫そうだな!」
その後は和やかにお茶を飲んだり、お菓子をいただいて過ごした。
傑さんのアルバムを見せてもらい、たくさんの愛情を注がれて育ったのだということがわかる。そしてなにより可愛すぎる♡今は長髪で色気がある男性だけど、小さな頃はスポーツ少年だったようで爽やかだ。この頃からモテモテだったんだろうな〜!
次の予定があるため、のんびりしていられない。
また緊張するんだ…自分たちのこととはいえ疲れるなぁ。
事情を説明してお暇することにした。
傑母「風海ちゃん、またゆっくり来てちょうだいね?一緒におしゃべりしたりお買い物行きましょうね!傑、ちゃんとお守りするのよ?」
傑「母さん…風海が来る時は俺も来るから…1人で出歩かせてないから、勝手に誘うのはやめてくれよ?」
あ…また。
傑さん、お家では“俺”っていうんだ。
新しい一面を知って嬉しくなった。
『お邪魔しました!私たちを理解して下さりありがとうございます』
お礼を言って車に乗り込み、今度は武神家へ向かう。