• テキストサイズ

真珠の涙

第13章 春


夏油side

傑「それも少し訳ありで…実は悟も彼女を愛してるんだ。今は3人で一緒にいることが多くて、俺が任務の時は悟が傍にいて風海を守ってる。今後も3人でいることが多いと思うけど、結婚するのは俺になる。悟も代々続く名家だからね。」

これまた目玉が飛び出るのではないかというくらい、目を見開く2人。風海は気まずそうに肩を縮こまらせている。

『…すみません。』

なぜ謝ることがある?
板挟みになった君が謝ることなんて何一つないだろ?

傑父「今の日本の法律だと難しいな。お前たちがよくても、世間が許さない関係だぞ、それは。」

傑「それはわかっているさ。でも…それが1番いい形だったんだ。子どもはいずれ欲しいと思っている。悟も跡継ぎが必要になる。だから」

傑父「その度に風海さんの戸籍を汚すというのか!それに…きちんと節度を守れるのか?どちらの子かわからなくなるなんてこともあるだろう?」

それはそうだ。その度に一度離婚をして五条になってからまた武神に戻さなくてはいけない。悟が何人の子を望んでいるのかわからないけど、その度に風海の戸籍は×が増える。

傑「戸籍はどうしようもないけど、子どものことはちゃんと考えてるよ。ちゃんと父さんと母さんにも孫を抱かせてやれる。新しい家族のカタチをわかって欲しい。」

黙ってお茶を飲む父を見ていたが、隣の風海が震えていることに気がつき顔を覗き込んで驚いた。

『…すみません、ややこしくしてしまって…。私も傑さんが大好きです。同じくらい悟さんのことも好きです。2人も同じように想ってくれてて…選べなかったのは私なんです。』

話した途端に溢れる涙。大きな目からポロポロと落ちる涙が、場面に合わず美しいと思ってしまった。


傑父「…風海さん、責めているわけではないので、しっかり聞いて欲しい。幸せなカタチは人それぞれだ。3人がそれでいいなら、外野は口を挟むべきではないかもしれない。けれど、法律や人と違うと言うことは、何かしらの問題点が発生する。それは覚悟の上かい?傑や五条くんが守ってくれないこともある。それでも3人でいて、傑を愛してくれるかい?同じように五条くんも愛せるかい?」
/ 393ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp