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真珠の涙

第12章 2月


夏油side

なるほど。
私たちを一緒にさせないためか。
だけど…そんなことのために?

彼女を心配してどれだけの人が動くと思っているんだ。実際、ドアを蹴破ることになった。今後のことも考えて、早急に手を打たなくては。

まったく…人魚の力を奪おうとするのも、嫉妬の矛先も私たちの可愛い風海に向けられるなんて。そんなものなくても、私は彼女を愛するというのに。

風海を傷つけようとする奴は、とりあえず見せしめにするべきか…2度と彼女に何かしないように。

悟と夜蛾に報告をした。2人とも同じような反応で、担任は内部事情を考慮して仕事の割り振りについて話すと言っていた。補助監督の役割についても。
悟と私は彼女を守るためならなんだってできるということを、まだわかっていないようだ。とりあえず事務室へ行き、何名か女性たちを呼び出した。その時はウキウキしているものの、今から話すことを聞いてどう思うのか。

悟「風海のこといじめてるのって誰?」

大概の女性が青ざめていく。本人なのか、知っている誰かなのか…

傑「答えなくてもいいよ?私たちはね、彼女のためならなんだってできるんだ。そして、そんなことをする女は軽蔑する。」

悟「風海は優しいからさ、絶対名前言わねぇの。そーゆー健気な女は守りたくなるじゃん?
…で?誰?」

私は関係ない!と言うものやポツポツと話し出すもの、様々だった。
結局、今回仕組んだやつは全員判明したものの表沙汰にはならず、仕事に私情は持ち込まない、という結果に終わった。そんなこと、いい大人が言われることか?ましてや高校生相手に…
納得いかないけれども、これが人員不足の壁か。呪術師はいつだって人員不足だ。

とにかく、私や悟を大切に想ってくれている風海を守れる環境を作っていこう。結婚できる年齢まで後1年…
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