第12章 2月
朝目覚めると、傑さんと目が合った。ちょっと眠るはずだったのに、朝までぐっすり寝てしまった。すぐ起きられるように、床で寝てたはずなのに、いつの間にかベッドで寝ていた。
それに、私の部屋じゃない。
傑「おはよう風海。昨日すぐに帰って来れなくてごめんね?」
『…おはよ』
傑さんの胸に擦り寄り密着する。大好きな香り。
傑「可愛いことしないでくれ。授業に出られなくなる。」
んん〜でも傑さんを感じていたいの。
『傑さんの部屋?キスして?』
傑「ふふっ…さらっとすごいことおねだりするよね、君は。嬉しいけど♡」
ちゅっちゅっ…と音を立てながら何度もキスする。舌も入ってきて、もうとろけそう。大好きな人に抱きしめられて、頭がぽーっとしてきた。
音を立てて離れ、見つめ合う。
傑「愛してるよ、風海。普通の恋人のようにイベントを一緒に過ごせなくてすまない。」
たしかに寂しかった。だけど、仕方のないこと。私も来年は1人で任務に行くかもしれないし。
『傑さん、私も愛しています♡だから心配しないで?ちゃんと待ってます。傑さんが私のとこに帰ってきてくれるのを。』
ちゃんと無事を祈って待ってるから…。
もう一度抱きしめ合ってキスをして、授業の準備を始める。
『そういえば悟さんはまだ帰ってないんですか?』
傑「悟は風海の部屋で寝ているよ?今、惨状になっててね…。そうそう。晴れて同室になることになって広めの部屋がないか確認してもらってるとこ。風海の荷物はそのまま置いてあるから、悟が番犬してくれてるんだ。」
えぇ?!そうだったの?!というか惨状ってなに!?
悟さん、疲れてるだろうに…申し訳ない…
『早めに引越ししないとですね…』
傑「大切なものは、ひとまずこっちに運ぼう。昨日の夜は誰か尋ねてきたり、不審なことはなかった?」
不審なこと?特になかったと思うけど…
『見送りに行った後すぐ部屋に戻ってきて、一度も出なかったのでこれといったことは…』
強いて言うなら…
『ちょっと伝えにくいんですけど、バレンタインだからか女性の補助監督さんの風当たりが強かったような…』
でも誰かに相談するほどのことではなかったし。ちょっと怖い思いをしたくらい。トイレで問い詰められたり。でもこんなの中学の頃に経験済みだったから…驚きもしなかった。