第12章 2月
いよいよバレンタインを2日後に控え、お菓子作りを始める。
ちなみに硝子さんは味見係らしい。甘いものはあんまり食べないけど、時々食べたくなるらしい。
私は甘いものが大好きだから、よく家でも作っていた。放課後に友だちと遊んだりすることがなかったから、趣味みたいなものだ。今までのバレンタインは、お父さんや海上さん、陸くんにしかあげたことがない。
傑さんや悟さんは喜んでくれるだろうか?
硝子さんに言ったら、喜ばないわけないでしょ。むしろ、朝からソワソワしてウザいのが目に見えてる。とうんざりした表情だった。
傑さんと悟さんには、フォンダンショコラ。
七海くんと灰原くんには甘さ控えめのガトーショコラ。
大好きな2人には手縫いのお守りをつくった。ちゃんと私の元に帰ってきてくれますようにと願いを込めて…
お菓子はしっかりと冷ましてからラッピングするから、冷蔵庫に入れさせてもらい、今日のところは部屋に戻った。ラッピングは明日の授業が終わったらやろう!
…と思っていたら、任務が入ってしまった。
すると、硝子さんがラッピングを手伝ってくれると申し出てくれた。よかった!明日には間に合う!
早めに作っておいてよかった〜♡
バレンタイン当日は、傑さんと悟さんが部屋を出てから硝子さんの部屋へ取りに行った。2人の分は部屋に置いておいて、七海くんと灰原くんの分だけ持って教室に向かった。
すでに2人は教室にいた。
『おはよ〜!ハッピーバレンタイン♪』
と言って渡すと、想像していたよりも嬉しそうにしてくれた!今までもきっとたくさんもらったことのある2人だけど、今年はきっと1番に渡せているもんね!クラスの女子は私1人だし!
灰「わっ!いいの?!ありがとう!」
七「ありがとう。これは手作り?」
頑張ってよかった♡
『うん!手作りだよ!
いつも助けてくれてありがと♡』
その後も授業にくる先生たちや廊下で会う補助監督さんにもあげた。大量生産作戦は大成功♪
今日はなんだかみんな優しい気がする。いや、いつもみんな優しいんだけど、ほわほわしてるというか…昼休みに大量生産したガトーショコラを事務室に置いて、ご自由にどうぞにしておいた。誰に渡したかわからなくなっちゃうから。
あぁ〜早く放課後にならないかな♡
早く2人にも渡したい♡