第12章 2月
傑「硝子から聞いたよ?風海にプレゼント渡してあるって」
一気に顔が赤くなる。
硝子さんから、悟さんの時と同様えっちな下着を渡された。真っ赤なベビードール。まだ身に付けてないけど、どうなってしまうんだろう。
『硝子さんからのプレゼントなので、ちゃんと着ます…けど、心の準備が…』
傑「心の準備が必要な服なの?照れちゃって…♡」
墓穴掘った…ただプレゼントって言っただけなのに…
傑「じゃあシャワー浴びておいで?それとも一緒に行こうか?」
『っ!!1人で入ってきます!!』
揶揄われてる…かもしれないけど、喜んでもらえるなら頑張らないと。
硝子さん曰く、“夏油みたいややつほどコスプレに弱い”らしい。理由はわからないけど…
シャワーを浴びて、念入りに洗う。期待しているみたいでちょっと恥ずかしいけど、私だって傑さんに愛されたいし、それで喜んでもらえるなら頑張りたい。
ベビードールを身につけた上から、部屋着を着てドアを開ける。ケータイを触っていた傑さんがパッと顔を上げ、眉を下げた。
傑「なんで服着ちゃったの?」
『だって恥ずかしいし、傑さんだってシャワーするでしょ?』
というより、下着だってわかってるってことじゃん。
早く見たかっただの、お預けされてるだの言っていたが、ぐいぐいと引っ張ってバスルームに押し込んだ。
ただ待ってるだけってどうしてたらいいんだろう?心の準備をしようと深呼吸していると、ケータイのランプが光っていた。メール?
悟さんからだった。
“硝子から聞いた。次やる時は傑へのプレゼント着ろよ。埋め合わせしてくれんだよな?”
血の気が引く。悟さんにもこの恥ずかしい格好を見られるってこと?恥ずかしくて死んでしまうかも。でも、今日この時間が持てたのは間違いなく悟さんのおかげ。悟さんのお誕生日にもらった下着はクローゼットの見つからない場所にしまってある。片付け上手の傑さんが、うっかり見つけないように。なのに硝子さんったら、なんで言っちゃうの?!
とりあえずお礼のメールだけ入れて、傑さんを待つ。
5分もしないうちに出てきた傑さん。早っ!?
でも髪の毛びしょびしょで上半身裸。色気がすごくて倒れそう…
『すっすぐるさん…髪、乾かしてください…』