第12章 2月
温かい飲み物を淹れてくつろぎ体勢に入る。
いつものように、後ろから抱きしめられる。
この瞬間がすごく幸せ。
傑さんの香りに包まれて安心とドキドキが一緒にやってくる。
今日は2人きりはだから真後ろじゃなくて、横向きに体勢を変えてみた。傑さんを見上げると、
傑「ん?どうした?」
と優しく微笑んでくれる。
『傑さん、いっぱいありがと♡』
初めて会った時のことを思い出していた。彼が助けてくれなければ、呪霊にやられていたかも。命の恩人に勢いで連絡先を聞いた。こんな大胆なことをしたのは人生で初めてだったと思う。それほどにまた会いたかった。
『私、たぶん一目惚れだったんです。傑さんのこと。こんな風になれると思ってなかったし、必死でしたよね?恥ずかしい…』
傑「ありがとう。私だって気になっていなければ卒業式にわざわざ会い行ったりにしないよ。ただ、悟には会わせたくなかったんだけどね?本当は独り占めしたいと常々思ってる。」
あぁ…幸せだな…
命の危険に晒されている中で、こんなに幸せを感じられるものなんだろうか。
『…大好き♡』
思わず胸元に擦り寄りながら、言葉が出た。言おうと思って出た言葉じゃなく、本当に自然と口からこぼれ落ちたような。
顎を掬い上げられ、キスをした。
ゆっくりと離れて見つめ合う。
傑「私も風海を愛してるよ。君以上にね。」
あぁもう。どうしてこんなにドキドキするんだろう。私がときめくポイントをよく知ってるんだと思う。私というより、女の子のと言う方が正しいのかもしれない。
甘い雰囲気になってしまったけど、プレゼント渡さないと!どうしてもお揃いでつけてみたいから。
『傑さん!寝ちゃう前にプレゼント渡します!』
クローゼットからプレゼントを取ってきて渡す。
傑「もう少し雰囲気を味わってよ笑」
そう笑いながらプレゼントを開けていく傑さん。
傑「これはバングル?ペアなの?」
『そうなんです♡私がお揃いでつけたくて!』
さっそくつけてくれた。そして私の手を取って、優しくつけてくれた。
やっぱり傑さんによく似合う。
傑「ありがとう風海。大切にするね♡任務の時以外はつけておこうかな。そして、もう一つプレゼントが欲しいな♡」
え?私、これしか用意してなかった。
もう一つって?