第12章 2月
さっき連絡があって、そろそろ傑さんが来る時間。昼休みに部屋に戻って飾り付けをした。放課後は急いで帰ってきてお料理を作った。
私の拙いデートプランでは、喜んでもらえないかな?と思い、お部屋でゆっくりしてもらうことにした。計画はバッチリだけど、準備がギリギリ終わらなかった。
部屋のドアがノックされ、返事をすると傑さんが入ってきた。
傑「ご招待ありがとう。少しだけど差し入れ」
飲み物を買ってきてくれた。そーゆーとこ見習わなきゃな。気遣いというか心遣いというか…素敵♡
すでにお部屋が整っているので、1日早いけどお祝いを言う。
『傑さん、ちょっと早いけどお誕生日おめでとうございます♪』
そう言いながら抱きつく。
傑さんも抱きしめ返してくれた。
傑「ありがとう。今日までは風海と同じ16歳だったけど、ひと足先に17になる。早く18になりたいよ。そしたら私も結婚できる年齢だ。」
ちゃんと考えてくれてることが嬉しい。
あと1年でお互い結婚できる年齢になる。
楽しみな反面不安もある。
特級である彼らが、日々危険に晒されていること。
今は学生だが、今後場数を踏めば踏むほど危険な任務が増えていく。それを送り出さなければならない。
不安で眠れない日々も多くなるんだろう。
『傑さん、嬉しい♡お腹空いてます?』
傑「風海の手料理だよね?それは楽しみ。」
作った料理をテーブルに並べると、すごく嬉しそうな笑顔で食べてくれた。時間も余裕がなくて、難しいものは作れなかったけど、今日は精一杯おもてなししてあげよう!
食事が済んで、準備をしてもらったお礼に片付けをすると申し出てくれた傑さん。今日の主役だから座ってて欲しいのに…それに家事は女の仕事でしょ?我が家はお父さんがやっているのを見たことがない。役割分担なんだろうけど、そーゆーもんだと思っていた。
傑「じゃあ洗ったお皿は私が拭くから、2人でやろう」
そう提案され、なんとなく納得できないまま一緒にやることになった。
『せっかくお誕生日だから、座ってて欲しいです…やらせちゃってすみません。』
傑「私が少しでも風海の側にいたいんだ。一緒にやらせて?」
『…傑さんは優しすぎます』
傑「そう?誰と比べているかは聞かないでおくね」
そんな会話をしながら、この、幸せを噛み締めた。