第12章 2月
いよいよ傑さんの誕生日、2月3日を翌日に控え、今日から任務を入れないように会うたび夜蛾先生にお願いしていた。お願いしたところで特級の2人の代わりはいないのだからしょうがないと理解はしているけど…学生だからといって、使い勝手のいい働き方は推奨できません!
悟さんの時と同様、1番にお祝いを言いたいから、授業が終わったら一緒に過ごせるようにお願いしに来た。
『傑さん!』
傑「どうしたんだい?わざわざこっちにくるなんて…私に会いにきてくれたの?」
すっごい嬉しそうで可愛い♡
席を立ってドアの方まで来てくれる傑さん。
『今日は任務入ってますか?入ってても入ってなくても、部屋に来てくださいね!』
傑「今のところ、入ってない。もちろん風海の部屋に行くよ?ちょっと抱きしめさせて?」
ぎゅっと抱きしめられ、首に顔を埋める傑さん。くすぐったいし、変な気持ちになりそう。暖かい息があたって、ドキドキする。
悟「おい、ドアの前でいちゃつくのやめろよ。通れねぇだろ」
どれくらいそうしていたかわからないけど、はっとして避けようとした。けど傑さんはガッチリと抱きしめていて離れてくれない。
傑「…今充電中なんだ。ドアは後ろにもあるだろ?」
悟「チッ…おまえだけの風海じゃねぇって言ってんの!ふざけやがって」
そう言い、少しぶつかりながら通って行った。
『傑さん、授業遅れちゃう…』
傑「あぁ…すまない。つい…じゃあ、またあとでね?」
嬉しそうな笑顔でホワホワしている傑さん。私が動かないのを不思議に思っていることだろう。気がついてしまったの。悟さんが窓の外を見て不貞腐れてることに。可愛いな…
教室に入り、座っている悟さんの後ろから抱きしめた。耳元で囁く。傑さんに聞こえないように。
『悟さんのことも好きだからね?明日は傑さんのお誕生日だから、1番におめでとう言いたいの。その予約に来たんです。』
悟「…おまえさぁ…本当なんなの?」
耳が赤くなっている。悟さんでも照れることあるんだな…
悟「風海にお願いされたら断れねぇじゃん。任務代わってやるから、今度埋め合わせしろよ?」
そう言って頭を掻いた。
『ありがと!好き♡』
さらにぎゅっと抱きしめて、教室を出た。