第11章 不安と仲直り
悟「なぁ?何食いに行こっか?傑のおごりで!」
傑「奢るのは構わない。勝負だったからね。けど、風海を独り占めするのはなしだ。」
そう言っていつもの位置に収まり、3人で歩き始めた。
やはり前から来る人、みんな避けてくれる。代わりにじろじろ見られるけど。
『ねぇ、まだイルミネーションってやってる?』
すでに1月後半、2月に入ろうとしているところ。冬中やっているところもあれば、クリスマスでお終いのところもある。
傑「どうかな?風海は光るものが好き?少し調べてみようか」
今日は制服だし、そんなに遅くまではいられない。制服デートだから、学生っぽい青春を味わいたい。
『ううん、いいの。今日は放課後デートをしたいから。』
そう言うと、2人は私の頭上で顔を見合わせていた。
傑「デートか…ふふ!…デートかぁ」
悟「放課後デート…」
嬉しそうな傑さんと悟さん。私の何気なく言ったことに喜んでくれるの嬉しいな♪せっかくならまたファミレスに行きたいな〜
『ファミレスに行きたい!ドリンクバーしたい!』
傑「もちろんいいよ。悟、いいね?」
悟「おぅ!」
こうして3人で放課後を満喫した。さっき勝ったからという理由で悟さんの隣に座り、待ってる時も食べてる時もちょっかいかけてくるから、食べにくかった。かまってほしい気持ちを素直に表現してくれるから、わかりやすいんだけどね。
悟さんが飲み物を取りに行くと、ドリンクバーが混み合う。世の女の子たちは積極的ですごいな…今行くと被害に遭いそうだから、しばらくしてから行こうかな。傑さんが行く時もそうだから、一緒に行きたくない。だってヤキモチ妬いちゃうから。遠くで見ている分には、なんとなくしょうがないかなと思えるの。だってすごくかっこいいから。でも実際にナンパされてる声を聞くと、独占欲が湧いてくる。もしかしたら私って、すごく束縛してしまうタイプなのかも。
私がドリンクバーに行くと、2人組の女の子に話しかけられる。
「ねぇ、この制服、どこ高校?」
「イケメンくん達と一緒にいたよね?」
「よければ紹介してくれない?」
えっ!?こんなことある?
絶対嫌だよ…けど何て言えばいいのかわからず、黙ってしまった。
「もしかして、どっちかが彼氏だった?」
「じゃあ彼氏じゃない方でいいからさ!」
困っていると、席から声をかけてくれた。