第11章 不安と仲直り
あっ!このぬいぐるみ可愛い。
黒い猫ちゃんは傑さんみたい。
こっちの白いわんちゃんは悟さんみたい。
悟「傑!勝負しようぜ!風海の好きなものを早く取った方が勝ち!」
傑「いいよ?負けたらどうする?」
悟「この後のメシ、おごり!」
傑「わかった。負けるつもりはないからね。風海、何が欲しい?」
もしかして、私が欲しそうにしていたのに気づいたのかな?
『この猫ちゃんと、わんちゃんがほしい!』
悟「よしっ!じゃ、勝負!風海は審判!」
こうして2人の勝負が始まった。
勝負をする時はどんな時でも真剣勝負。
どーゆーわけか、悟さんがわんちゃんを取ろうとしていて、傑さんが猫ちゃんを取ろうとしている。必死な2人が可愛い。周りの女の子がきゃあきゃあ言っているのが聞こえたが、2人は集中していて全然気が付かない。
悟「くそっ!全然取れねぇ!風海!違うのにしろよ!」
えっ!?私の欲しいもの取ってくれるって言ったのに?!
傑「悟、勝負を放棄するのかい?」
悟「しねぇよ!俺が勝つ!!」
また集中した2人。
人だかりが出来ている。(主に女子)
傑さんがぬいぐるみを掴んだ!わくわくしながら見ていると、悟さんが私を引き寄せキスをした。こんな人のたくさんいるところで。
周りの人が“きゃ〜” とか“なにあの女!”とか言ってるのが聞こえた。顔を真っ赤にして離れると、ニヤリと笑って
悟「傑〜惜しかったな?」
見ると、せっかく掴んでいたのに落ちてしまっていた。
傑「そーゆー小技をしないと私には勝てないのかい?」
そう言いながらも、血管が切れそうなほど浮き出ている。
…怖いよ傑さん…
結局、悟さんの方が先に取って、傑さんもその後すぐに取ってくれた。私はすぐにケータイにつけた。
『ありがとうございます!可愛い〜♡』
傑「喜んでもらえてよかった。」
すっごい悔しそうな顔で言われても笑 悟さんが私の頭に顎を乗せて後ろから抱きしめられる。こちらはすっごい上機嫌!
悟「じゃ、次はこれ!」
基本、悟さんのやりたいものをやっているような感じだったが、全部私を楽しませるためなんだというのがわかった。私が初めてだったから丁寧に教えてくれたし、失敗しても適度にいじってくれて勝負もムキになって楽しめた。