第11章 不安と仲直り
五条side
悟「へぇ…なんで俺に言わなかった?傑には内緒にしたいなら、俺に言えばよかったじゃん。なんで陸?」
『内緒にしてたのはごめんなさい。でも悟さん、傑さんに言っちゃうでしょ?…デートなんだ〜とか、これ買ってたよ〜とか。』
あぁ〜…言っちゃうわ、俺。それがわかってたから、あえて陸か。硝子や七海灰原だと、先日の襲撃のこともあったからやめたということか。文句言えねぇじゃん。
『ごめんなさい…あの、傑さんには言わないでね?びっくりさせたいの。』
この状況で上目遣いは卑怯だろ。抱きしめたくなるだろ。俺、まだ怒ってんのに。理由はわかったけど、陸と2人きりで出かけたことは許せない。
悟「はぁ〜、心配かけんなよ。それに、堂々と浮気してんじゃねぇよ。楽しそうに笑っちゃってさぁ…俺より陸のが良くなった?男と2人きりなんて、そーゆーことだろ?」
ため息をつく。責めたいわけじゃない。俺が好きだと言って欲しいだけ。らしくねぇが、不安になったんだ。陸の方へ行ってしまうんじゃないかと。
『傑さんと悟さんが好きに決まってます!』
普段とは違う強い口調。溢れないように震えながら、目にたくさん涙を溜めて。手を強く握りしめて。だけど、今は俺が好きだと言って欲しかった。傑と俺じゃなく。
悟「俺が好きだって言えよ。」
無限を解いて両肩を掴む。目線を合わせると、なぜか目が泳ぐ風海。不安の原因はこれか。迷いがあればすぐにわかる。
『好きだよ?悟さん…』
今度は弱々しく答える。
…んだよ、陸になにか吹き込まれたか?
荒々しくキスをしながらベッドへ移動する。
押し倒すと不安げな表情で見上げてくる。
悟「ぜってぇ離さねぇからな」
再度キスしながら服を脱がせていく。脱がせるというより、剥ぎ取っていくといった方が正しい。
陸と出かけるために選んだ服も、髪型も、
傑のプレゼントを選ぶために内緒で出かけたことも、
俺のことが好きだと言うのに迷いがあることも、
何もかもが腹立つ。
お前は俺の女だろ?