第11章 不安と仲直り
五条side
ここ最近任務続きで風海不足だ。任務ですれ違いなことが多いし、特急の忙しさを舐めてた。学生なのに授業にすら出れねぇ。大人、頑張れよ。
今日は日付が変わる前に帰って来れた。風海の部屋の電気はまだ付いている。傑が帰ってるのかはわからないけど、とりあえずアイツと話をしなければ。
俺は今、非常に怒っている。なぜなら、俺の知らないところで出かけたから。前にあげたお守りをいつも肌身離さず持っている風海。その中にはGPSが入っていて、居場所がわかるようになっている。束縛し過ぎな彼氏みたいで余裕がなくてダセェけど、風海が危険に巻き込まれるよりは全然いい。
何気なく確認したら、任務の連絡は入ってないのに都内の繁華街にいることになっている。それもすごいスピードで。車で任務に向かってる?
今まで連絡を怠ったことのない風海が?
念の為、五条家の力を使って偵察に行かせる。誘拐だったら一大事だ。
しばらくして報告がくる。楽しそうに笑い合う風海と陸の写真が送られてきた。カフェの窓際の席でなんか飲んでる。
はぁ?なんでコイツらが2人でいんの?
とりあえず偵察に行かせた人間をそのまま護衛につかせて、逐一報告させた。だから知ってる。どこで何をしていたかも。でも風海の口から聞きたかった。ちゃんと真実を述べてくれるだろうか。
部屋に入る前から責め立ててしまいそうだったが、俺が帰ってきて嬉しそうな声に、少し怯んだ。抱きつこうとするのも、ご機嫌取りか?無意識に無限で触れられないようにした。
たしか初めてだったかもしれない。コイツのことを退けたのは。ものすごく戸惑った表情。でもそれもお前が悪いんだ。隠し事するから。
悟「おいてめぇ、今日どこで何してた?」
思ってた以上に低い声が出た。眉を下げて見上げる風海を射抜く。どうしようもねぇな、男の嫉妬は。女に嫉妬されることは数知れず。めんどくさいとしか思ったことがなかった。風海はどう思うのだろうか。
『今日は陸くんとお買い物に…傑さんのプレゼントを買いに行ってました。』
傑の?陸とお揃いのバングル買ったんじゃなかったのか?
下を向いて気まずそうにしている。俺も引っ込みつかなくなったじゃねぇか。