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真珠の涙

第11章 不安と仲直り



『どっちも大好きなの…』

そう呟くと同時にお店の人が戻ってきた。
念の為手首のサイズを測られて、持ってきてもらったものをつけてみる。ピッタリだったので、二つを一つの箱に入れてラッピングしてもらうことにした。

陸「…どっちか選ばないの?」
さっきの会話のことだなって感じながら、心配になるのも無理はない。人とは違う生き方には、リスクが伴うから。

『うん。2人と一緒にいたいから、これでいいの』

陸「…そっか。風海が幸せなら、応援するよ」

あとはバレンタインが近いから、チョコを買った。悟さんは甘党だしいいチョコレートをたくさん知ってるだろうから、どうしようか迷った。手作りしたかったけど、時間があるかもわからないし…とりあえず、手作りできる材料も買って、プレゼントできるチョコも選んだ。もし作る時間があれば作ってあげよう。残ったら自分用のご褒美にすればいいから。

こうして買い物は無事終了して、一緒に食事することになった。

『陸くん、今日はありがとね!助かっちゃった!』

陸「俺も楽しかったし、全然いいよ!また誘って?あとさ、前の学校の友だち集めたら、風海も参加してくれる?2年になる前にみんなで集まろうってなってるんだ。」

行きたいけど…聞いてみないとわからないな。

『確認してみるね!わかったらすぐ連絡する。』

食事をして高専へ向かう。来た時と同じように腰に手を回して陸くんにくっつく。あったかいな…

陸「しっかりつかまっててね?」

そう言って手を引っ張られて、もっと密着した。
エンジン音に驚いて力が入ってしまい、陸くんはすぐに気がついて振り向いて笑いながら謝ってくれた。陸くんが悪いわけじゃないのに…本当に優しいな。

高専に着く頃にはすっかり身体が冷えていた。それよりも、陸くんが帰ってしまうことが寂しかった。今でこそ全然会えないけど、実家にいる時には夏休みでも週一回は会っていた。私が安心して話せる唯一の友だち。一緒にいるのが当たり前だった。今は傑さんや悟さん、硝子さん、七海くん、灰原くんがそばにいてくれるけど…付き合いの長さで言えば、陸くんの方が長い。

陸「…そんな顔するなよ。部屋まで送ってくから。」

そんなに悲しそうにしてたかな?昔から私の気持ちを私以上にわかってくれてた陸くん。
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