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真珠の涙

第11章 不安と仲直り



念の為、どこに行くかや途中経過などを硝子さんと夜蛾先生に伝えておくことになった。夜蛾先生は“アイツらには言わなくていいのか?”と気にしていたけど、傑さんのプレゼントを買いに行くのに言えないよ…硝子さんは“浮気すんのにウキウキしてんの?”と笑われた。浮気じゃないよ…幼馴染とお出かけするだけだもん。

当日は硝子さんと夜蛾先生に見送られて、迎えにきてくれた陸くんと出発した。

『陸くん、バイクの免許取ったんだね!かっこいい!』

陸「移動がラクだからね!しっかり捕まっててよ?」

初めてのバイクに興奮気味な私に、いつものように微笑んでくれる。距離は近いものの、なかなか声が聞こえない。大きな声で問いかける。

『ヘルメット、わざわざ買ってくれたの?』

陸「誰かを乗せるのは初めてなんだ!だから、新品だよ!本当はさ、免許取ってから1年経たないと二人乗りしちゃだめなんだ。だから安全運転でいくね!」

新しいかどうかというより、わざわざ私のために準備してくれたことが嬉しい。そして、初めて乗せてくれたということも。

『ありがとう、陸くん!』

初めてのバイクは寒かったけど、陸くんとくっついてる部分はあったかくて、気持ちまで温かくなった。

目的の場所に着いてから、まずはカフェに入った。寒さに凍えた身体を温めるため、温かい飲み物を買う。

陸「カフェラテとロイヤルミルクティーを一つずつ…でよかった?」

私の好みをわかってくれてる陸くん。笑顔で頷き、席を探しに行く。ちょうど席が空き、表から見えるカウンター席。横に並んで、ミルクティーを飲みながらしながら学校での話を聞いたり、頻繁に出入りしている我が家の様子を聞いたり…

陸「そういえば、夏油術師が風海の家に来たみたいだよ?」

『え?』

なんで?一緒に行く約束はしたけど、先に1人で行った?
なんでうちの場所知ってるんだろう?

陸「詳しくは知らないけど、親父から聞いてさ…」

『ふぅん…』

なんで内緒で行っちゃったんだろう…相談して欲しかったな…

陸「結婚するんでしょ?」

えっ!誰と誰が?!
思わずミルクティーを吸い込んで咽せしまった。背中を優しく叩きながら、大丈夫?と聞かれる。大丈夫じゃないです。

『私が?結婚?』

陸「違うの?夏油術師と。」

私の知らないところでどんな話をしたの?!
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