第10章 幸せと不幸
〜後日談〜
任務で負傷したものの、翌日からまたいつもの日常が始まった。私はまだ気持ちの整理がつかないままで、1日に何度もため息をついた。動いていれば忘れられるかもと思って、あえて忙しくする日もあった。
七「今度、風海の行きたいところに行きましょう。」
灰「どこに行きたい?カフェ?パンケーキ食べに行く?」
『あっごめん、なぁに?』
あぁ…みんな困った顔をしてる。また困らせてしまったみたい。
今日の体術訓練は2年生と合同だった。強くならないといけないから、ベストタイミング!気持ちを切り替えないと…
3人でグラウンドへ向かう時、灰原くんから爆弾発言が飛び出した。
灰「そういえばこの前の任務の時、風海と手を繋いだりしたときに、すごくいい匂いがしたんだ。香水か何か使ってるの?」
『えっ?!』
七「灰原、今はその話はやめましょう。まだ死にたくありません。」
確かに恋人のような行動を取った。じゃないと呪霊が出てこないと判断したから。でも、2年生が来るかもしれないこの状況でこの話題は非常にまずい。
思わずきょろきょろしてしまう。
あ…すぐ後ろにいた…
これは非常にまずい。
傑「やぁ…その話、詳しく聞かせてもらえるかな?」
悟「おいおいおい…俺が到着する前に何があったんだよ?灰原だけか?風海の香りに酔ったのは。」
終わった…
灰「あぁ!夏油さん!五条さん!先輩たちがいつも風海の匂いを嗅いでいる理由がわかりました!いい匂いですよね!」
もうこれ以上、火に油は注がないで!
必死に説明するものの、こめかみには血管が浮き出ている。
『ごめんなさい!灰原くん、逃げて!違うんです!聞いて!!じゃないと呪霊が出てこなくて!』
なぜか七海くんも捕まって、灰原くんと2人で顔がわからなくなるほどボコボコにされていた。あまりの惨状に私が泣いてしまい、その涙で治療をした。
本当に加減を知らないんだから!
『悟さんも傑さんもやりすぎです!!ただ首に顔を埋めただけなのに…』
悟「なに?!首に、顔を、埋めた?!お前の?!」
傑「それは許し難いな」
せっかく治ったのに、またボコボコにされてしまった七海くんと灰原くん。本当にごめんね。
こんなことを繰り返しても友だちでいてくれる2人には感謝しかない。
ありがとう。