第10章 幸せと不幸
七海くんたちに確認するのは後日にして、明日も授業があるから休むことになった。
しっかりと傑さんが抱きしめてくれて、安心した香りに包まれる。
傑「…大丈夫だよ?悟はちゃんと、ここに帰ってくるから。君のことが大切なだけなんだ。わかってあげてね?」
『傑さんもだけど、悟さんがすごく楽しみにしてくれていたから、申し訳なくて…不安です…』
傑「今日のことは忘れないようにしよう。私たちの元に来てくれた命のこと、この気持ちをちゃんと大切に思って、来年もその次も空に祈ろう。そして大人になったら、ちゃんと計画的に子どもを作ろうね。」
そう言ってくれて、また涙が溢れた。
あなたはパパが2人もいて幸せね、ママも幸せ。いつかまた、私たちのところに来てくれると嬉しいです。
傑「それと…プロポーズはやり直しさせてくれるかい?もっと盛大にサプライズを仕掛けて有無を言わせないほどにするから。結婚の話が無しになったわけではなくて、プロポーズのやり直しだけ検討してくれる?」
といたずらっ子のように笑った。確かに昨日は急な出来事だったけど、とっても嬉しかった。
『私は昨日のでもとっても嬉しかったのに…無しにならないならなんでもいいです。』
そう答えながら傑さんに胸に擦り寄る。
傑「…君は…本当に可愛いな。甘え上手で健気で…」
『でも傑さん、いつも甘やかしてくれるもん♡ありがとうございます。…でも頼りないかもしれないけど、私にも甘えてくださいね』
頬に手を添えてキスをした。いつもそばにいてくれてありがとうの気持ちを込めて。
傑「私が好きでやってることだからね。君を甘やかしたいんだ。本当は私がいないと生きていけないと言うほどに甘えて欲しいんだけどね。風海がそばにいてくれさえすれば、私は夏油傑でいられる。これからもそばにいてくれ。」
そう言って何度もキスしてくれた。
角度を変えて何度も何度も。生きていることを実感できるように。命に感謝するように。
傑「…まずいな。止まらなくなってしまう。」
『傑さん、あたってます笑』
傑「すまない、生理現象だ。今日2回目だね笑」
2人で笑い合って、抱き合って眠りについた。
悟さんがいつ帰ってきてもいいように、ちゃんと悟さんの場所を空けて。