第10章 幸せと不幸
今日は遅いから、後日、病院へ行ってきちんと確認が取れてから担任に話に行くことになった。
久しぶりに3人揃って眠れる。
いつものように2人に抱きしめられながら、安心して眠れた。傑さんはずっと頭を撫でていてくれたし、悟さんもトントンと胸の辺りを優しく叩いて寝かしつけてくれた。まだ聞こえるはずないのに、お腹に耳を当てたり、パパだよ〜なんて話しかける悟さんが可愛らしかった。傑さんがすかさず、私がパパだからね!と言い直していて、楽しみにしてくれていると言うのが伝わって嬉しかった。
まだ母親になる覚悟なんてできてないし、こんなに甘えん坊な私が赤ちゃんの世話をするなんて想像できないけど…命が宿っていると思うと、自然と心が温かくなり、頑張ろうと思えた。
その日は久しぶりにぐっすり眠れた気がする。
朝起きると、傑さんは呼び出しがあったようで悟さんががっちり抱きしめてくれていた。
『悟さん、おはよう』
頬に手を添えキスをする。全然起きないから、首や頬にもキスをしていく。
悟「ふっ…くすぐったい…やめろ…」
まだ目を閉じたままの悟さん。唯一私が悟さんよりも優位に立てる瞬間だから、意地悪したくなっちゃうの。
『起きないと、もっとしちゃうもん…』
ちゅっちゅっと音を立てながら、顔中にキスをする。
悟「わかったから…やめろ…もう起きるから」
そう言いながらも、まだ目は閉じたまま。悟さんの空色の眼が見たいのに。
『こっち向いて?』
ようやく薄く目を開いて、私のことを見てくれる。
『おはよ♡』
小さくため息をついて抱きしめられる。
悟「まったく…俺をどうしたいワケ?できねぇのに朝からムラムラしちゃうじゃん。」
髪をわしゃわしゃと撫でられ、キスをしてくれた。私がしたようにおでこや頬、首筋や鎖骨にも。
悟「あぁ〜目ぇ覚めた!今日、授業出れそ?」
『はい、出ます。こんなので休んでられない!ちゃんと頑張らないと!』
そう、頑張らないと!赤ちゃんのためにも!母親らしくしっかりした人間にならないといけない。
部屋を出て、教室に向かう別れ道で頭を撫でながら悟さんが笑いかけてくれた。
悟「あんまり頑張りすぎんなよ?ハニー♡」
あまりにも綺麗な笑顔でドキドキしてしまった。