第10章 幸せと不幸
2人には、何時になってもいいから部屋に来て欲しいとメールを送る。
悟さんからはすぐに“やっぱ俺の看病が必要だよね!すぐ終わらせるから待ってろよ!”と返信がきた。傑さんは今任務中なのか返ってこない。
硝「自分がどうしたいのか、ちゃんと決められる?あの2人に話すのもそうだけど、3人の責任だからね?どーゆー決断をしても、私はアンタの味方だからね?」
そう言って抱きしめてくれた。
そうだ。色んな思いがあったにせよ、一時の快楽に流されてしまった私たちの責任だ。私はどうしたい?今私のお腹に命が宿っていて、おろすって選択肢はないけど、どちらの子なのかをハッキリさせる必要がある。生まれてこなければわからないかもしれない。傑さんのご両親に挨拶もしてない。悟さんの子だったら、そのまま結婚になるかもしれない。
…どうしたらいいか、決断なんてできないよ…
硝子さんに抱きしめられながら少し泣いた。
しばらくして落ち着いた頃に
悟「ただいま〜!マイハニー♡げっ硝子もいるじゃん。で、なに抱き合ってんの?えっ!泣いた後の顔じゃん?!硝子に泣かされた?!」
嵐のような悟さんが帰ってきた。ムードメーカーと言うかなんというか…
硝「うるさい五条。そっとしておくってことができないわけ?とにかく今は安静にしておくんだよ?…じゃ、また明日ね」
頭を撫でられて、硝子さんが部屋を出ていく。きっとすぐに話した方がいいから席を外してくれたんだ。
悟「…で、体調は?寂しくて泣いちゃった?」
そう言って抱き上げてくれた。いつもの場所に座って、頭を撫でたり首筋の匂いを嗅がれたり…いつも通りのスキンシップ。
『悟さん、あのね…』
話始めたところで電話が鳴った。傑さんがメールを見て、電話してくれたんだ。今任務が終わって高専に向かっているところらしい。悟さんがすでにいてくれると伝えると悔しそうにしていた。途中で悟さんに代わって、途中で何か食べ物買ってきて〜とお願いしていた。
傑さんももうすぐ帰ってくるのなら、2人一緒のタイミングで聞いてもらった方がいいかな。
ここのところずっと忙しくしていて、この時間に悟さんが帰ってきているのが珍しい。さすが特級といったところ。これからもっと忙しくなっていくのかな。