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真珠の涙

第10章 幸せと不幸



パーティーから1週間ほど経ったある日、体調が優れない日が続いた。熱があるわけじゃないのに身体がダルくて、ぼーっとすることが多い。そして、とにかく眠い。どういうわけか眠い。授業中もうたた寝してしまうほどに。

さらに数日経つと微熱が出て、吐き気も出てきた。裸で寝てしまう事も多いから風邪をひいたんだと思って風邪薬を飲んで寝ることにする。仕方ないから授業や任務を休む連絡をすると

七海くん“大丈夫ですか?必要なものはありますか?”

灰原くん“最近ずっと体調悪かったもんね。ゆっくり休んで!”

傑さん“後でお見舞いに行くね”

悟さん“ちゃんと服着て寝ろよ”

硝子さん“薬ある?後で部屋に行くね”

と返ってきた。
みんな優しいなぁ…返信できないくらいダルくて、そのまま眠りに落ちた。

話し声が聞こえて目が覚めると、

悟「おっ!起きた!」

傑「悟の声が大きいからだろ?ごめんね風海。体調はどうだい?」

『ん…今何時ですか?ずっと寝てたのに、まだ眠い…』

寝起きだからそう感じるのか、ダルさは変わらないけどとりあえず起き上がる。傑さんが背中を支えてくれる。

『ありがとうございます…えっ!?もうこんな時間?!』

みんなに連絡したのは8時頃で、今は16時。8時間もぐっすり寝ちゃうなんて…

傑「疲れが溜まってたのかもしれないね?今日はゆっくり休みな?」

悟「夜も付き合わせてたからなw」

こんな時にも冗談言うなんて…でもツッコむ元気がなくて、傑さんにぎゅっと抱きついた。安心する香り。

『移したら悪いから…』

傑「その割に可愛い行動をとっているね?」

くすくすと笑いながら抱きしめてくれた。
ちょっと気が緩んだからか、吐き気が襲ってくる。

『ちょっと…気持ち悪い…』

慌てて手で口を抑えてトイレへ向かう。
何も食べてないから何も出ないけど、気持ち悪さは消えない。ドアの外から

傑「大丈夫?ドア開けられそうかい?」

『まだ…吐き気が…』

傑「悟、硝子を呼んできて。」

バタバタと出ていく音がする。

傑「水を持ってきたんだけど、飲めそう?」

ここのところずっと気持ち悪かったけど、今日は特に気持ちが悪い。

『ありがとうございます…』

ドアを少しだけ開けて水を受け取ろうとしたら、ガバッと開けられ、再び閉めることが難しくなった。
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