第9章 パーティー
傑「敬語をやめないか?せっかく公認の恋人になれたんだし。2人きりの時だけでいいから」
頭を撫でられながら、ウトウトとして言葉の意味をちゃんと理解しないまま返事をしてしまった。
『はーい♡』
眠くて眠くて、思考停止状態。でも傑さんが嬉しそうにしているのはわかる。喜んでくれるなら、それでいい。
傑「思った以上にあっさりだな。ちゃんと聞いているのかい?」
クスクス笑っているのが聞こえてくる。
頭にキスされて
傑「おやすみ、プリンセス♡」
と言われた頃には瞼がくっついていた。
その後すぐに悟さんが帰ってきたようだけど、私はぐっすり眠ってしまっていて、気が付かなかった。
起こそうとする悟さんと、そのまま寝かせてくれようとした傑さんの喧嘩があったことなど知らずにぐっすりだった。
朝、2人の話し声が聞こえて目が覚めた。
悟「おっ起きた♡お前、俺が帰ってくんの待っとけよ。先に寝ただろ〜?」
傑「おはよう風海♡」
いつものように2人の間に挟まれているようだ。
昨日待ってられなくて寝てしまったから、悟さんを堪能したくて悟さんの方へ転がった。胸に擦り寄り、伝えられなかったことを言う。
『…おはようございます。お帰りなさい。』
悟「おっ!いいね、それ♡可愛いじゃん♡」
悟さんは爽やかな香りがする。傑さんもだけど、同じボディーソープ使ってるのに、何でだろう?気になって何度もすりすりしてしまう。
傑「風海…こっちにもおいで?私にもしていいよ?」
腰のあたりから引き寄せられそうだったけど、悟さんにガッチリ掴まれて、それは叶わなかった。
悟「傑てめぇ!昨日風海を独り占めしたんだろうが!こっちが話したくもねぇジジィどもの相手してる間に!!」
喧嘩が始まると思い、パッと目を開いた。
傑「いや、悪いね悟〜!幸せな夜だったよ♡」
悟「すぐるくん?喧嘩売ってるのかな?」
『おはよ、悟さん。私、起きた』
と言って頬に手を当ててこちらを向かせる。やっぱり悟さんの眼は美しい。この世のものとは思えない。
『今日もキレイ♡』
悟「あぁ…おはよ。風海、邪魔すんなよなぁ…」
そう小さく呟いて、先ほどまで傑さんへ威嚇していた悟さんの姿はなくなった。