第1章 出会い
もうすぐ両親が着くと連絡が来て、玄関へ向かう。
悟さんのご両親やたくさんの人がお出迎えしてくれて、申し訳ない気持ちになった。
母は到着して車から降りてくると、真っ先に私を抱きしめた。
母「あぁよかった…命の危機があるって言われて…もうお母さんどうしていいかわからなかった。それにしても綺麗なお着物着せてもらったの?素敵じゃない♡」
お母さんは話し出すと止まらない。お父さんはどちらかと言うと寡黙…なのかな?今もずーっと話し続けているお母さんを片目にお父さんが口を開いた。
父「娘が大変お世話になりました。」
悟父「大事になる前に対応でき、安心しています。それでは中へどうぞ。」
促されて、昨日の大きな部屋に通される。
母「で、どっちが風海の彼氏なの?」
と小声で聞いてくる。
顔が真っ赤になりながら答える。
『どっちも違うよ!!』
会話が聞こえていないかと、チラッと傑さんを見るとにっこり笑って手を上げてくれた。
そんな私たちをみて「あらやだ♡」なんて言ってるお母さん。本当に恥ずかしいからやめてほしい…
悟さんのお父様が昨日私が聞いたことを両親にも説明している。
何度聞いても、私にそんなすごい力があるとは思えない。歌は大好きだけど、人を惑わすほどじゃないし。
三叉の矛が呪具だということも知った。
いざという時、それを操れるように薙刀のお稽古をしていたとのことだった。
おばあちゃんは歴史こそ知らなかったが、五条家とのつながりを知っていた。おじいちゃんが亡くなる時に“何かあったら五条家を頼れ”と言ったのは、こんな私を守ってくれると信じていたから。
悟父「そこで、相談です。お嬢さんをぜひお嫁に迎えたいと考えております。うちの息子は今後、呪術界を牽引していく存在になる。迂闊に手を出す輩はいないでしょう。しっかりと守ってやれるはずです。」
悟「五条家嫡男、悟と申します。俺もぜひ風海さんと一緒になりたい。そして先祖の遺言でもあります。同じ時代に生まれ、必ず幸せにすると。今度は俺が幸せにします。」
いつもの悟さんとは思えないほど…ふざけた感じじゃない。
まっすぐに見つめられて、いつもなら恥ずかしくて目を逸らしてしまうけど、逸らせないでいる。
こーゆー姿を見ると両家のご子息なんだなと感じる。