第1章 出会い
傑「…一つよろしいでしょうか?」
手を挙げた傑さんに一斉に視線が集まる。
傑「悟のクラスメイトの夏油傑と申します。失礼ながら発言をお許しください。悟は今後、呪術師最強と謳われるようになるでしょう。ですが、婚約には反対です。婚約、結婚したからといって危険が遠ざかるわけではない。連携して守っていく必要があります。言ってみればそれは、愛のない結婚になる。風海はそれでいいのかい?悟は決して君を好きだと言ったわけではないんだよ?」
そんなの嫌に決まってる。
でも悟さん、大事なことを言う時にはしっかり目を見て真剣に話してくれた。冗談には思えなかった。
違うことは違うってハッキリ言える人だと思うから…
でも確かに好きって言われたわけじゃない。
父「婚約については保留にさせてください。娘の意思で決めたいと思います。親の願いとしては、ちゃんと恋愛を経て結婚してもらいたい。」
大きな部屋なのに、みんなの声がよく聞こえる。
心配してくれるみんなが、私が安全に過ごせる方法を考えてくれている。もう、私がどうしたいとかは気にしないで、1番いい方法で納得しようと思った。
呪術高専への編入も安全のために必要とのこと。
けど、編入したら呪術師としてやっていかなければならない危険もある。
父「風海、お父さんは1番安全な方法を選択したい。お前は今の学校が好きかもしれないけど、呪術高専に進学することも考えていたんだよな?お父さん達が反対したから今の学校にした訳だけど…呪術師としての危険もあるだろうが、五条くんや夏油くんが守ってくれるなら、それでもいいんじゃないのか?」
お父さんが思わぬ提案をしてきた。
あんなに反対してたのに…お母さんは複雑な表情をしている。
でも、2人とも苦渋の決断なんだと思う。だから、やったー!とは言えないけど…
もっと傑さんの近くにいられる。
もっと悟さんを知ることができる。
…嬉しい…