第9章 パーティー
傑さんに連れられて、ステージから降りる時に
傑「このまま出口へ向かう。胸を張って堂々と歩くんだ。誰も寄せ付けないオーラで周りに微笑んで?大丈夫、君ならできる。」
そう言われ緊張でガチガチの中、急にモデルウォークを求められる。
ステージの袖で一瞬会場から見えなくなる時に
『傑さん、キスして?頑張れるおまじない』
そう言って見上げると、赤くなった傑さん。
傑「こんなところでおねだりとは…君も策士だな。」
ふっと笑いながら、唇とおでこにキスしてくれた。
よしっ!頑張って歩くぞ〜!
チラリと悟さんが目に入る。
まだステージ上に残っていて、こちらを見てる。
あっ見られてたんだ…と気がついた時にはもう遅かった。
怒ってる…そのまま歩いてこっちに来る。
袖まで来ると
悟「んだよ?俺にもキスさせろ!」
と言って深い深いとろけそうなキスをしてくれる。
足が…浮いてる。
強く抱きしめられながら。
『んん…ふっ…ん…』
思わず声が漏れてしまう。
傑「悟、もう戻れ。あとは頼むよ。こっちはいいことして待ってるから♡」
悟「あぁ?いいことってなんだよ?セックスか?風海、今日は寝れると思うなよ?」
そう言って鎖骨のあたりにチリッとした痛みが走る。
キスマーク。こんな丸見えのとこに…今つけたらここから出る時にみんなに見られちゃうのに…
少し機嫌の良くなった悟さんはまたステージに戻っていった。
そして私と傑さんは出口へ向かう。
声をかけようとする人が多いこと。傑さんが全てお断りしてくれて、私の腕も掴もうものなら睨みつけて牽制している。
味方でよかった。怖すぎる…
私もにっこりと微笑みながら歩く。
すると私たちの前に現れた人物。
まあ予想通りかな。
『直哉さん…』
直「久しぶりやね。風海ちゃん。当主の話聞いて驚いたわ〜。なんで教えてくれへんかったん?」
ニヤニヤと…前回会った時のことをすでに忘れていそうな表情でこちらを見つめる。
直「君が夏油くんか。えらい男前やな。風海ちゃんは面食いなんやなw
そやっ!禅院家に嫁にくるんはどう?五条家やなくて。」
さっきのお父様のお話、聞いてなかったのかしら?
傑「初めまして。直哉さん、お噂は予々。彼女は渡せません。」
渡せませんって素敵。
そう、私は2人のもの。