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真珠の涙

第9章 パーティー



事前に練習していた通り挨拶をする。
この時ばかりは悟さんと腕を組む。

悟父「いやぁ、風海さん。2週間ぶりかな?」
『こんばんは。お父様。』

悟さん、すごく嬉しそう。でも、傑さんをライバル視し過ぎて、こっちの会話に集中できていないのがわかる。

あえて周りに聞こえるように親しげに話すことが条件だ。お父様だなんて、図々しいにも程がある。
聞き耳を立てている人や取り入ろうとする人たちが多いから、悟さんといるだけでも目立つのに、お父様とも知り合いとなると余計に興味を持たれるであろう。まぁ、それが作戦なんだけど。

悟父「では風海さん、後ほど」

挨拶を交わした途端にお父様は囲まれて、私との関係…というより悟さんについて問われているようだった。
悟さんも次々と挨拶されている。傑さんが
傑「悟、私たちは別の場所に行く」

そう言って引き離してくれた。
腕を組んで歩くと、やはりみんな道を開けてくれる。

ドリンクをもらって、空いているテーブルに向かう。傑さんのエスコートは完璧で、所作も美しくて見惚れてしまう。

傑「あんまり可愛い顔で見つめないでくれ。どうにかなりそうだ。」

そう言って頬を撫でて微笑んでくれる。
いつもなら頭を撫でてくれるけど、髪をセットしてるから触らないでくれているのかな。

『傑さんだって、かっこよくてドキドキしっぱなしなのに』

遠くから見ても悟さんは背が高くて周りに人が多いから、すぐにわかる。相変わらず無愛想だな…と思っていると、悟さんがこっちを見た。
笑って手を振る悟さん。周りの人も一斉にこちらを見る。

ドキッとした。あんなに無邪気に手を振るなんて…子どもみたいで可愛いな♡私も手を振り返すと、嬉しそうにしていた。

傑「悟の表情が変わったね。周りの人も気がついていると思うけど…風海の力はすごいね!…けど、今は私の恋人として隣にいてくれ」

そう言って腰を引き寄せられた。
急に近くなる香りにドキドキと胸が高鳴り、周りが見えなくなっていく。

『傑さん…私、ドキドキしてだめかも』

そう言って傑さんの胸にピタリとくっついた。

傑「大勢見ている前でそんなことするなんて、風海らしくないね?」
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