第9章 パーティー
パーティーの始まる時間になった。
それまでは部屋でのんびりテレビを見たり、おしゃべりをしたり。
時間前に行くと思ったら、時間を少し過ぎてから行った方が注目を集められると、悟さんの意見に従うことになった。
エレベーターに乗り込み、会場に向かう。
悟「絶対に傑から離れんなよ?俺は呪術界上層部のジジイたちに挨拶しなきゃなんねーから。だりぃ〜。」
傑「腕を組んで?そう。足が疲れたら、遠慮なく言うんだよ?君はただ、微笑んでいればいい。」
『もう、本当に2人とも心配性なんだから!』
そんないつも通りの会話をして、会場のあるフロアに到着する。
2人の甘々な顔から、キリッとした表情に切り替わる。
扉が開くと、すでに会場前にはたくさんの人がいて、おそらく五条家のボディーガードさんが悟さんに挨拶をしている。私たちに付く方は、五条家に行った時に見たことのある人で安心した。悟さんにももちろん付くのだけど、無限がある悟さんには必要ないんじゃないかな?
私たち3人は横並びで歩くと、周りが避けてくれた。たぶん2人は有名人だもんね。日本に数名しかいない、特級だから。それもまだ学生。
そしてその間に挟まれて歩く私を、値踏みされるように見られる。
傑「風海。自信をもって?私の可愛いプリンセス」
そう言って、組んでいる腕とは反対の手で頬を撫でてくれた。
安心して、私も傑さんを見上げて微笑む。
傑さんか悟さんに声をかけようと入口付近にいた女の人へ向けて、微笑んでみた。最初は数歩前へ踏み出したものの、うまく牽制できたようだ。私がこんなことをできるようになるなんて。
悟「いいじゃんwそれ!俺の女って感じするわ〜」
傑「間違えるなよ。私の婚約者だ」
頭上で飛び交ういつもの会話に安心感がある。
会場の扉は五条家の方が開けてくれた。ざわついた会場が静かになる。
しーんとなった会場が今度はざわざわとし始める。
“あれが五条悟か” “隣の女が噂の…?” “でももう1人の男と腕組んでる” “あれって、夏油くん?” “あの女、なんなの?”
そんな声が聞こえてくる。
耳が良いせいで、聞きたくないことも聞こえてしまう。
悟「まずは親父のところだ」
そう言って会場内を歩くが、やはりさっきと同じように周りが避けてくれる。すごいなぁ2人とも…