第9章 パーティー
身支度が終わると、五条家の車で会場へ移動する。
車内では悟さんが“可愛い”とか“似合ってる”とか言ってくれたけど、“俺、やっぱセンスがいい”と締めくくっていた。悟さんらしいけど。
入口で傑さんと待ち合わせしているんだけど、あの目立っているかっこいい人は絶対に傑さんだ。
車の中で、思わず
『わぁ…素敵…』
と呟いてしまった。
悟「おまえさぁ、この超イケメンの悟さんが隣に座ってて、よくそんなことが言えるな?」
確かに悟さんも素敵だから、さっき素敵♡って言ったのに…本当にやきもちやきなんだから。
『悟さんもとっても素敵ですよ?』
そういうと、引き寄せられキスされた。
ちゅっと音を立てて離れていく悟さん。
悟「可愛いよ、風海。絶対離れんなよ?」
私の背中側のドアが開き、傑さんが覗き込む。
傑「ん?顔が赤いね?大丈夫かい?」
だって2人ともかっこいいんだもん。
並んで歩くのが恥ずかしいよ…
傑さんのループタイは私と同じロイヤルブルー。
悟さんの胸ポケットにもロイヤルブルーの差し色が入ってる。3人で揃えましたっていうのが、側から見てもわかるだろう。
車から降りるのに傑さんが手を差し伸べてくれる。
傑「お手をどうぞ?プリンセス。エスコートしても?」
本当に王子様みたい。素敵♡
私は今、目がハートになってると思う。
『はい♡ありがとうございます♡』
悟さんも降りてくると、周囲がざわつくのがわかる。そりゃあんなイケメン、そうそういないもんね。スーツ着てるし破壊力抜群なのわかる。
私の右側に傑さん。左側に悟さん。
傑さんと腕を組んで歩く。悟さんは隠しもせず大欠伸している。
悟「わりぃけど、先部屋行ってて。親父と打ち合わせしてくる。」
とケータイを耳に当てながら行ってしまった。
今日は勝負の日だからね。五条家にとっても。
フロントでキーを受け取ると、エレベーターへ向かう。
エレベーターを待ってる間も、後ろにいる女の子がキャッキャして傑さんを絶賛している声が聞こえてくる。ちょっとヤキモチか妬いちゃう。かっこいいのは認めるけど…思わずぎゅっと腕に巻き付いた。