第1章 出会い
五条side
風海の学校が終わってすぐ、五条家に向かう。俺一人だとめんどくせぇから、一緒に傑と硝子も連れていき、事情をわかってもらおうと思った。
到着した時の風海の驚いた顔…可愛いにも程があるだろw
ちょっとしたサプライズで着物を用意しておいた。
性格的に風海が選びきれないと思い、アイツに似合いそうな着物を事前に選んでおいた。
そして五条家に伝わる貝の帯留。
これは代々伝わるもので、人魚伝説の書と一緒にしまってあったもの。
風海につけてもらいたくて、準備しておいた。
傑「ところで悟、なんで着物なんだ?ご両親に会うのに着物じゃなきゃ会えない理由でもあるのかい?」
ともっともな意見を述べる真面目男。
悟「おまえさ…もっと考え方に柔軟性を持てよ!よく考えろ?硝子はともかく、風海も着物で髪の毛アップにするんだぞ?
…白くて細いうなじが見えるって想像しろよ?」
もちろんそんな下衆な理由ではないけど。
傑「…!!」
おい、本当に想像するなよw
顔真っ赤にしちゃって。
先に部屋に来たのは硝子。まぁ予想通り。
風海はやはり選ぶのに時間がかかったらしい。
お茶を飲んだり茶菓子を食べたり、いつもの気を使わないメンバーで話込んでいると、外から声がかかる。
「悟様、お話し中失礼致します。風海様のご用意が整いました。」
そっと襖が開き、あまりの美しさに時が止まる。
全員が声を出せないほど…動けないほど…
美しかった。
この世のものとは思えない程、綺麗な瞳で佇む彼女はまさに人魚のように人を惑わす存在なのだと感じた。