第1章 出会い
悟「じゃ、硝子と風海はそっち、傑はこっちな」
そう言って強制的に分けられ、使用人の方について行く。それにしても何人の使用人が仕えているんだろう。
「こちらです」
案内されたのは、たくさんの着物が並べられた部屋。
硝子さんもさすがに驚いている。
「私共が着付けをさせていただきますので、お好きな着物をお選びください。」
着物なんて初めてかも!
硝子さんは即決だった。濃い紫色の着物。
私は悩みに悩んで…結局まだ決められないでいる。
『どうしよう…』
「風海様、悟様から、もし決められないようならこちらをお召しになるよう仰せつかりました。」
そう言って見せてくれたのは、明るい水色と白の着物。
なんて美しいんだろう。
『わぁ…素敵!悟さんの眼みたいな青ですね!これにします!』
悟さん、センスもいいんだな〜
何かできないことはないんだろうか?
着付けてもらい、髪をセットし、メイクもしてもらう。
というより、なんでこんなことになってるんだっけ?
いつのまにか硝子さんとは別室になったようだ。なぜなら私が選ぶのに時間がかかったからだと思う。
「さっ、出来ましたよ!まぁなんて美しいんでしょう!」
そう言いながら褒めてくれる使用人の方々。
連れられて廊下を歩き、すれ違う方みんなが頭を下げてくれる。私なんて頭を下げてもらうような人間でもないのに…と思い、一人ひとりに挨拶を返していた。
ある部屋に通され、襖が開くと3人が揃っていた。