第1章 出会い
車に乗せられ、移動する。
助手席に傑さん、後ろは硝子さん、私、悟さんの順に座った。
硝子さんが「クズの隣は嫌だ」ということで、私が真ん中になった。どこに行くんだろう?
しかもスーツを着た運転手さん付き…
傑さんが振り返ってにっこり笑ってくれる。こまめに気を配ってくれて、すごく紳士的だなと思う。もしかしたら傑さんはすごいお家の御曹司なのかも。素敵だな…
その間悟さんはケータイを触ったり、私にちょっかいをかけてきたり忙しそう…硝子さんは窓の外を眺めて、早くタバコ吸いてぇと呟いている。個性的だけど、みんな仲良しなんだな〜
なんて思っていたら到着した。
ここは…?
傑さんが車のドアを開けてくれる。
硝子さんから順番に降りる。その時に手を差し出してくれる傑さんはやっぱり紳士だ。こんなこと誰にもされたことなくて、どうしていいのか戸惑っていると、後ろから早くしろと押される。
すっごく綺麗な日本家屋。
ひろーい庭に池まである。鹿おどしまである…
やっぱり傑さんは御曹司だったんだ!
着物姿を想像して頬を赤らめた。
『…すごいですね…』
悟「まぁね、俺、いいとこの出だから」
『えっ?!』
その会話を聞いて、硝子さんは私の考えてることがわかったようで爆笑している。
硝「風海、玉の輿じゃなくて残念だったな笑」
そーゆーつもりじゃないのに…
玄関前で使用人の方たちが出迎えてくれる。
「悟様、おかえりなさいませ。各々準備が整っております。」