第1章 出会い
玄関へむかうとやはり人混みが出来ている。
声かけにくいなぁ…と思っていると、
後ろから陸の声がする。
陸「風海!今帰り?部活は?」
『うん、部活は終わったとこなの。陸くんは部活入った?』
なんて話をしていると、陸くんの友だちによって囲まれてしまった。
「おい、陸!武神さん紹介しろよ!友だちになって!」
「本当可愛いよね。俺ら今からゲーセン行くんだけど一緒にいこーぜ」
「俺さ、同じクラスなんだけどわかる?」
口々に話をされるが、知らない人から話しかけられてびっくりしてしまう。声が出せないでいると
陸「やめろよ〜風海が怖がってる。もし行くなら大歓迎だけど、どうする?」
『今日は約束があるから…ごめんね?』
と呟き、眉を下げる。
陸「謝ることないだろ?じゃ、また明日な!」
頭を撫でながら優しく目を合わせてくれる。
陸くんは小さい頃から頭を撫でてくれる。癖みたいなもの。それが心地いい。昔は目線を合わせるのにかがまなくてもよかったのに、今は中腰になってしてくれる。
優しいな、陸くんは。
靴を履いて玄関を出ると、さっきよりも小さくなった人だかり。
『すみません。お待たせしました!』
意を決して声をかけると一斉に視線が集まる…
うっ…怖い…
すると悟さんがいち早く私の方へ歩いてくる。
少しだけ見つめ合う。
すごく綺麗な瞳…
悟「…お前さ、簡単に頭撫でられてんじゃねーよ」
あっ…陸くんとのこと見られてたんだ…
そういうなり髪の毛をわしゃわしゃとされる。
わっ髪の毛乱れる!
悟さんめっ!
『もう、やめてくださいよ〜直してください!』
怒ったようにそう言うと、両手で直してくれた。
そして頭にキスされた…
『…っ!!』
びっくりして顔をあげ、視線を合わせると
ニヤッとイタズラに笑っている。
傑「…悟、場所をわきまえろよ。」
気がつくと傑さんも硝子さんも近くにいて、4人で歩き出す。
これがこの人たちの日常なの?!ドキドキがおさまらないんですけど!!しばらく真っ赤になったままだった。