第1章 出会い
次の日、学校前が騒がしい。
他の人より頭一つ分大きいので、遠くからでもすぐに誰だかわかった。
傑さんと悟さんだ…
なんで?
あっ!硝子さんもいる!
あっちも私に気がついたようで人をかき分けてこちらに向かってくる。
傑「おはよう、風海。今日も可愛いね。」
そう言いながら頭を撫でる。
ギャラリーからは「きゃー」だの「わぁ〜」だの聞こえてくる。
私は恥ずかしさでそれどころではなくなった。
声も出さないでいる。
悟「今日、学校終わってからの予定は?」
『…おはようございます…
今日は部活がありますので、それが終わったら帰ります。』
そういうと、とても真剣な表情の3人が
硝「帰りに迎えにくるから、絶対学内にいてよ?」
そう約束して、玄関へ向かう。
なぜか傑さんの呪霊を護衛にするとのことだったが、大変申し訳ないのですが、呪霊気持ち悪いです…
何かから守られなくてはいけないようなので大人しく従う。
教室に入ると案の定あの3人の話で持ちきりだった。
たくさん質問されたけど、答えられることなんてほとんどない。傑さんはともかく、あとの二人は私も今日会うのが2回目なんだから。
今日は一日中この話題なんだろうな〜
放課後になり、音楽室へ向かう。
最近入部した子も増えて、さらに友だちが増えた。
注目されるのは苦手だけど、歌が好き。
それにこの高校を選んだ理由は、音楽ホールがあること。音楽に力を入れていること。そんな中で歌えたらどんなに幸せだろうと思っていた。
音楽室の窓が開いていて、自分の声がどこまでも響いていく気がした。