第1章 出会い
電車に乗るとすぐにメールを入れる。
“今電車に乗ったよ”
家族に連絡を送らなくてはいけないルールになっている。もう高校生だし過保護過ぎないかとも思うが、それを条件に部活やバイトの許可がおりたのだ。辞めろと言われては困るので約束はしっかりと守る。
そしてもう一人の過保護さんにもメールを入れた。
“今日はありがとうございました!とっても楽しかったです。また会いましょうね!”
電車の中にも呪霊っているんだ…駅から乗るのかな?
外側にも張り付いてるのがいるけど、電車にくっついてるのかな?どーゆー原理で移動してるんだろ?
などと考えているうちに地元の駅に着いた。降りる人はほとんどいない。
駅まで車で迎えに来てもらい、帰宅する。
『お母さん、私今日ね、歌を褒められたんだ!』
なんて、今まではない報告に母も笑顔になる。友だちがいること、楽しく学校に通えること…本当に毎日が楽しい!
母「そーいえば、陸くんが同じ学校なんですって?」
『そうそう!しかも同じクラスだったの!お父さんから聞いた?』
陸は小さい頃から一緒に育ったけど、お稽古事が忙しくて学校にもきたり来なかったりしていた。学校に来た時には、いつも私を庇ってくれた本当に頼り甲斐のある優しい男の子だ。
それは今も変わらず、クラスでも人気の男子だ。
今も陰気な私にも話しかけてくれるし。
母「また守ってもらえてよかったわね〜」
と呑気な母。
守ってもらうだけじゃなくて、自分も強くならないとな…と密かに感じたのだった。