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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



「失礼するよ、主」

案の定、主は執務室に残って1人で仕事をこなしている。
集中しているのか、返答がない。

「主」

トントン、と肩を軽く叩くと主は山姥切長義の方を向く。

「あ、長義。遠征お疲れ様」
「ただいま。遠征の報告書だ、確認して欲しい」
「確認します」

山姥切長義から書類を受け取り、遠征の報告内容を確認する。

「主」
「なあに?」

顔を向けることなく、ペラペラと複数枚の紙をめくりながら長義の声に耳を傾ける。

「今日の近侍は日光だったろう?
休ませた日光の代わりの近侍は誰にするか決めたのか?」
「まだ決めてないよ。遠征を終えた刀達や内番をしてる刀達には頼みたくないのよね、疲れているだろうし」

主はうーん、と考える顔をしながら、代わりの近侍を決めかねている。

「俺で良いなら構わないよ」
「本当?長義、さっき遠征から帰ってきたばかりで疲れているんじゃ?
「他の刀に近侍を申し出るより、手っ取り早いと思うが」
「それもそう、か…。じゃあお願い」

主は書類に判子を捺し、長義に日光の代わりに近侍をするよう命じた。

「日光から引継をしてもらうから、少し席を外すよ」
「うん。行ってらっしゃい」

一旦執務室から出て、肩で息をする長義は改めて日光の所へ向かった。



「お前が俺の代わりに近侍を?」
「ああ。自分から申し出た。その方が手っ取り早いし、主に余計な手間をかけずに済む」
「なるほど」

確かにと納得した日光はすぐに山姥切長義に引継をし、近侍を交代してもらった。

「後は任せた」
「ふっ、任せてくれ」

山姥切長義はすぐに執務室に戻り、近侍としての役目を果たした。

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