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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



「望、良い名前だな」
「私を名前で呼んでいいのは、基本2人きりの時だけよ」
「相分かった」
「色んな審神者さんがいると思う。私みたいに上下関係を徹底する人や、名前で呼ぶことを許している人、開放的で隠し事をしない人。
審神者によって本丸の方針は色々あるし、ね」

2人きりの時以外は名前を出さない、仕事中は以ての外だと。
主は、自分の真名を知る権利があるのは婚姻関係を結んだ刀だけだと話し、教えられるのは仮名…審神者名だけだと伝えた。
魂と密接な繋がりのある本当の名を知られると魂そのものを知られることになるから、自分が身も心も相手のものになる覚悟をしないと駄目だと。

「…婚姻、か」

想像してしまった。
主と…いや、望と婚姻関係を結ぶことが出来たら…と。

「なにかな」
「…いや、なんでもない。今夜は冷えるから温かくして寝てくれ。おやすみ」
「うん、おやすみ」

主の頭に触れて自室に戻る日光。

「…結婚、か…。刀と婚姻関係を結ぶってどんな感じなんだろう」

本丸での生活は変わらないだろうし、誰が夫になっても大して実感は湧かないのかもしれない。
ぼんやりと月を眺めながら考えていたらひんやりとした風が吹き、我に返った。

「…さて、私も部屋に戻って休もうかな」

縁側の戸締りを確認して、主は自室に入った。

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