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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



いつかは主も帰りたいと言う時がくるかもしれない。
そう考えたら、作業をする手が止まった。

現の主は仕事を進めている。

「………っこう」
「………」

主が腕を揺すってきて我に返った。

「日光?顔色悪いよ、大丈夫?」
「大したことではない、考え事をしていただけだ」
「私より、日光の方が疲れているんじゃない?
今日は上がっていいから休憩しなさい?」

主命だと言われたら断れる訳もなく、日光は執務室を出た。



主が現世に帰れば、二度と戻って来ないかもしれない。
そう考えると、胸がチクチクする感じがした。

「おや、日光が考え事とは珍しいな」
「山姥切長義か」
「君、今日は近侍じゃなかったか?なぜ主の傍にいないんだ?」

その主に休めと言われた。
主命だと言われたら、逆らえる訳もなかったと説明したら山姥切長義も納得したようだ。

「それは確かに断れないな」
「…ああ」
「ならば俺が主の様子を見てこようか。
ちょうど報告書を提出しなければならないしな」
「そうしてくれ」

山姥切長義は執務室に赴き、日光は縁側に座って庭で走り回る短刀や脇差達の様子を見ている。

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