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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



「お待たせしてごめんなさい、用意出来たよ」
「ああ。…………!」

扉を開かれて聞こえる主の声で振り向くと、主は綺麗に化粧を施して着物を着ている。

「…変、かな?」
「いいや、綺麗だ。では行こうか」
「はい…!」

主は普段も軽く化粧をしているが、こんなにしっかりと化粧をしているのは初めて見る。

日光と主は本丸を出た。





「わぁ、綺麗…」

植物園と言えど、どんな場所へ連れて行かれるのか少し心配していたが、主が以前から気になると言っていた場所のようだった。

「思っていたより人が多いな…。主、俺からはぐれないよう、気を付けてくれ」
「うん、大丈夫。あっ、あのお花可愛い」

早速目の前で咲いている桃色の花に近寄り、眺めている。

「椿かな?」
「ああ、あれは山茶花だ。秋から冬にかけて咲く、…まぁ、椿の一種だな」
「詳しいんだね」
「……まあな」

あっちにも可愛い花があると、主は小走りで向かっていって眺めている。

「まったく…はしゃぎすぎだ」

フッと笑う日光も満更ではなかった。
色んな花を見て回る主が楽しそうならば、連れて来て良かったと思った。

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