第1章 眠り姫
「…臣下と主人は、結ばれる事などないと思っていた」
「そんな事ないよ、本丸の方針はそれぞれだし。
中には刀剣男士と恋仲になっていたり、婚姻を結んだ審神者もいるよ。
そういう審神者のだいたいは、関係を持ってから相手の刀を近侍として傍に置いているみたいだけど」
主は近侍の日替わり制は今後も変えないと言った。
その環境に馴染んでいるし、愛刀にした刀を固定の近侍にするとやるべきことに支障をきたす気がするから。
「主は自分にも刀にも厳しいな」
日光が顕現した当初は愛想のない佇まいに怖そうな印象を受けて、当時近侍だった山鳥毛に後を任せたなと感慨深くなった。
今は日光が優しい人だと分かるし、信頼している。