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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



「暗くなるのが早くなったにゃ…。うぅぅぅ、さっぶいにゃあぁぁぁ」
「…ああ、秋から冬は日が暮れるのが早いからな」

空を眺めれば、煌めく星空と優しく光る月明かり。

「今宵は十三夜月か」
「満月が近いな」

空に輝く月を見ていると、主を思い出す。
月見をしながら物思いにふけていたり、誰かと話していたり、時には眠ってしまっていたり。

完全に主=月という心象が根付いている。

「…………」
「さて、本丸に戻るぞ」

遠征先での仕事を終えて、書類を書き上げると帰路につく。
日光が主に渡した遠征呼び戻し鳩が飛んで来なかった辺り、主が無事であることは把握出来た。



「戻った。報告はここに纏めてある」
「お疲れ様でした。外は寒かったでしょう?お風呂沸かしてあるよ」
「ああ、ありがとう。頂くとしよう」

主は山鳥毛から書類を受け取り、遠征先からの帰還で冷えた身体を温めてもらおうと風呂を沸かして待っていてくれたようだった。

目が合った日光にもお疲れ様と笑顔をくれて、その笑顔に安心した。
態度や顔には出さないが、主に何事もなくて良かった、と。

「主、この書類の確認をしてくれないか」
「あ、はーい。すぐ行く」

長義に呼ばれて、執務室に戻ってしまった。
その後ろ姿に、主は忙しそうだなと感じてしまった。

「…………」

「おーい、日光の兄貴ー!お頭が風呂に入るってよー!早く来いにゃ」
「ああ」

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